健康

肩こりや頭痛の原因に⁉ 「目の疲れ」の解消法

肩こりや頭痛、疲れなどを感じていませんか? その原因は「目の疲れ」かもしれません。「疲れ目」がさまざまな症状を招くメカニズムや解消法を眼科医の梶田雅義さんに伺いました。

目の緊張が全身に伝わって肩こりや頭痛などが引き起こる

Mechanism of eyeball for looking far and near. Vector illustration.

目の水晶体の近くには毛様体筋という筋肉があります。
目は、近くを見るときは毛様体筋をピーンと張り、遠くを見るときは毛様体筋をゆるめることでピントを調整しています。

スマホやパソコンなどを長時間見続けるなどして、毛様体筋の緊張が続くとその緊張が全身に伝わって肩こりや頭痛などを引き起こすことがあります。

自律神経が乱れて吐き気や倦怠感などが現れることも

遠くを見るときは交感神経が、近くを見るときは副交感神経が優位になります。遠近のピント調節は、交感神経と副交感神経をうまく切り替えることで正しく調整しています。

しかし、スマホやパソコン、テレビなど現代は近くを見ることが多く、副交感神経が優位になりやすい環境にあります。近くばかり見ていると自律神経のバランスが乱れ、ピント調整がうまくいかなくなり目が疲れやすくなるのです。

自律神経は呼吸や体温、血圧、代謝や消化、運動など体全体のはたらきを司っているので、自律神経のバランスが乱れると、目の疲れだけでなく肩こりや頭痛、吐き気や倦怠感など全身にさまざまな不調が起こりやすくなるのです。

目の疲れによって起こる主な症状

<目の症状>
・ぼやける 
・痛み 
・充血 
・しょぼしょぼする 
・まぶしい    ……など

<全身の症状>
・肩こり
・頭痛
・めまい
・吐き気
・倦怠感     ……など

「目の疲れ」を解消する3つの日常習慣

1 まばたきをするよう心掛ける
スマホやPCを見ているときは集中していることが多く、ついまばたきを忘れがち。
まばたきをすることで筋肉の緊張がほぐれます。

    2 ビタミンやルテインが豊富な食材を積極的に
    薄暗い場所で物を見たり色の識別をサポートしたりするはたらきがあるビタミンAや、眼精疲労に効果的なビタミンB群、ピント調節機能をサポートすると言われるアントシアニンを多く含む食材などを積極的に食べましょう。

    以下にそれぞれの栄養素を豊富に含む主な食材を紹介しますが、いろいろな食べ物からバランス良く摂ることが大切です。

    ・ビタミンAを豊富に含む食材

    レバー
    牛乳
    にんじんやほうれん草などの緑黄色野菜    ……など

    ・ビタミンB群を豊富に含む食材

    うなぎ
    豚肉
    牛乳
    あさり    ……など

    ・アントシアニンを豊富に含む食材

    ブルーベリー
    ぶどう
    カシス    ……など

    3 寝る2時間ほど前にぬるめのお湯に浸かる

    40度前後のぬるめのお湯にゆっくりと浸かって筋肉の緊張をほぐしましょう。リラックスができるうえに、眠る2時間ほど前に入浴をすれば、入眠時にちょうど体温が下がり始め、眠りにつきやすくなります。

    質の良い睡眠にもつながって交感神経を整えることにもつながります。

    スマホやパソコンを長時間見続けるときには、10分間に1~2秒間遠くを見たり、肩や首をゆっくりと回してストレッチを行うなども有効です。

    梶田雅義さん/眼科医。眼科梶田塾塾長。福島県立医科大学眼科学講師、カリフォルニア大学バークレー校研究員、東京医科歯科大学医学部臨床教授などを経て、2003年から梶田眼科を開設し院長。24年から現職。著書に『人生が変わるコンタクトレンズ・メガネ選び』(アマゾン出版)など。

    バナナはいつ食べるといい?効果的な食べ方と保存方法

    おいしくて、ヘルシーで、コスパも抜群なバナナ! せっかく食べるなら、さらにおいしく健康的にいただきたいですよね。朝・昼・夜、それぞれのタイミングでメリットが違うのを知っていますか? おいしく食べるためのバナナの保存方法や注意点も紹介します。

    バナナってすごい!豊富な栄養素!

    バナナには炭水化物やタンパク質の他、ビタミン、ミネラル、葉酸、食物繊維などがバランスよく含まれています。バナナに含まれる栄養素について紹介します。

    • カリウム
      体内のナトリウム(塩分)を排泄し、体内の水分調整を行うミネラルです。血圧上昇の抑制にも関与しています。
       
    • 食物繊維
      腸内の水分や内容物を吸着して排出する栄養素で、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。バナナには食物繊維が豊富に含まれています。特に不溶性食物繊維は便通をよくする働きがあるので、便秘の人にはありがたい栄養素です。
       
    • 糖質
      エネルギー源となる栄養素です。バナナは消化吸収されやすいブドウ糖、果糖、ショ糖など、さまざまな種類の糖質が含まれています。それぞれ体内エネルギーに変わるスピードが異なり、さらに食物繊維が豊富なので腹持ちがよいといわれています。
       
    • ビタミン
      ビタミンB1、B2、ナイアシン(B3)、ビタミンB6、葉酸を含みます。たんぱく質・糖質・脂質の代謝を助けたり、皮膚や髪、爪などの健康をサポートする働きがあります。
       
    • マグネシウム
      人の体に欠かせないミネラルの一つ。骨の正常な代謝を助けるマグネシウムは、カルシウムと並んで骨の健康にとって重要なミネラルです。神経の興奮をしずめ、体温や血圧を調整するといわれています。
       
    • ポリフェノール
      抗酸化作用があるポリフェノールは、熟したバナナほど多く含んでいます。
       
    • アミノ酸
      アミノ酸を含むフルーツは少ないのですが、バナナにはアミノ酸も含まれています。

      参照:文部科学省『食品成分データベース』、小学館『食の医学館』

    本当に栄養が豊富なバナナ。朝昼晩や運動の前後など、それぞれのバナナの効果を知って上手に取り入れると、ダイエットにも向いています。ちなみに夜食べるバナナも、リラックスや良質な睡眠を得るために有効なんです。シチュエーション別にバナナの効果とおいしい食べ方をご紹介しましょう。

    バナナが運動をする人にいい理由

    先述したように、バナナは、糖質やビタミンやミネラル、食物繊維などを豊富に含んでいます。栄養豊富なバナナは、手軽に栄養が補える食材として運動をする人にぴったりです。

    運動前・運動中・運動後、それぞれのタイミングでバナナを食べるメリットをご紹介します。

    運動前/糖質補給で効率よくエネルギーに

    運動前にはパワーの源になる糖質やアミノ酸を補充することが欠かせません。空腹時にエネルギーが足りない状態で運動を続けると、体内のタンパク質(主に筋肉)がエネルギー源として使われるようになります。結果、運動効果が減少してしまいます。

    そのため、運動前は、バナナのように消化がよく糖分を含んだものを軽く食べておくといいそうです。食後40分ほどで消化吸収されるので、その時間から逆算して食べておくと、バナナの栄養分が体に補給され、効率よく運動できます。
     

    運動中/エネルギー補給に最適

    長時間の運動をする際には、パフォーマンスを落とさないようにするために、合間に水分と栄養を補給することが大切です。

    また、暑い季節の運動では発汗量が多くなるので、熱中症対策が必要になります。発汗とともに水分だけでなく、ミネラルも失われやすくなります。

    熱中症を予防するためには水分補給はもちろん大切ですが、ミネラル補給や塩分補給も大切です。

    バナナには糖質だけでなく、体内の水分量を調整する「カリウム」というミネラルが豊富に含まれています。カリウムが不足すると、脱水症につながるので、バナナは運動中の熱中症予防に適しています。ただし、カリウムはナトリウムを排出する作用があるので、運動中の脱水症対策としては、水分、バナナとともに、ナトリウムも併せて取ることもよいでしょう。

    運動後/素早い補給でエネルギー補給と疲労回復

    スポーツ選手が、試合後やレース後にバナナを食べているシーンを見たことがありませんか?

    運動後は疲労回復のため、できるだけ早く糖質を取ることがよいといわれています。バナナのような吸収の速い糖質を運動後に素早く取ることで、運動中に使われた筋グリコーゲン(筋肉中のエネルギー源)を効率よく回復させることができます。

    また、バナナには汗をかくことで失われやすいミネラルが含まれているので、ミネラル源としても適した食材です。

    運動以外にもあるバナナを食べるメリット

    バナナは濃厚な甘みの割に、1本約86kcalと意外と低め。ビタミンやミネラルをバランスよく含んでおり、腹持ちもいいので、ダイエット中のおやつにピッタリ。

    砂糖を含むおやつと比べると、バナナはブドウ糖、果糖、ショ糖など含まれている糖質の種類が豊富。これらは体内に吸収されるスピードが違うので、血糖値の上昇を緩やかにしてくれる効果も期待できます。
     
    また、セロトニンの材料となる「トリプトファン」やビタミンB6や、さらに、イライラを抑える「マグネシウム」も含まれているので、一日の疲れを癒やすのに適しています。

    なお、バナナにはカリウムが多く含まれるため、腎臓病などでカリウム制限のある方はかかりつけの医師と相談して食べるようにしましょう。

    朝・昼・夜、時間帯で違うバナナの効果

    バナナは朝・昼・夜のどの時間帯に食べても、それぞれにメリットがあります。

    朝にバナナを食べるメリット

    まず朝バナナのメリット。バナナには他のフルーツよりも多くの「ブドウ糖」が含まれているので、朝バナナは、睡眠中に失われた栄養素を補給して、一日を元気に過ごすための原動力になります。

    昼にバナナを食べるメリット

    バナナにはブドウ糖以外にも、「果糖」や「ショ糖」が含まれています。糖分と聞くと避けたくなってしまいますが、疲れにくい体づくりに糖分は欠かせません。果糖は血糖を上げにくく緩やかに体内に吸収される性質があるので、昼に食べれば、午後の活動に向けてのよいエネルギーチャージとなります。

    夜にバナナを食べるメリット

    バナナには感情や睡眠の安定に深く関わっている「セロトニン」と呼ばれるホルモンの原料となる「トリプトファン」が含まれています。一日の疲れを癒やす夜に適しています。

    ただ、バナナに含まれる果糖は、夜食べると中性脂肪に変わりやすい傾向があるので、食事の量を調節しましょう。

    バナナは一日に何本食べるのがいい?

    一つ悩んでしまうのがバナナの保存の仕方。常温で置いていると、油断しているうちに茶色い斑点が出たり全体に茶色くなったりして熟れすぎた……なんてことがよくありますよね。あと、房ごと袋に入れたまま置いていたら、あっという間に腐ってしまったり。
     
    だからといって、冷蔵庫で保存することで、長期保存が可能になるわけではありません。バナナは熱帯で育つフルーツなので、保存には15〜20℃くらいの常温が最適で、リビングなど風通しのよい場所がベストだそう。13℃以下になると熟成が止まり、さらに温度の低い冷蔵庫などに入れると低温障害を起こして皮が真っ黒になってしまう場合も。
     
    ちなみに、バナナの皮に出る茶色い斑点は、「シュガースポット」といって、バナナが食べ頃になったサイン。

    このシュガースポットが出てきたら、1本ずつビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存すると、常温で保存するよりも少し長持ちするそうです。この段階で冷蔵庫に保存すれば、熟れ過ぎも防げるし、おいしく食べられるのですね。

    また、シュガースポットが出たら、ひと口大に切って冷凍庫保存してしまうという裏ワザもあります。凍ったバナナをアイスのようにそのまま食べたり、バナナシェイクやスムージーにしたり、何かと重宝します。

    部屋でバナナを保存するときの注意点

    バナナを部屋で保存するときに避けたいのは袋のまま置いておくこと。 バナナは自らの熟成を促すエチレンガスを発生させるので、袋のまま置いておくとバナナが傷みやすくなります。袋から出して保存しましょう。

    また、果肉が軟らかいバナナは、テーブルなどに置くと自重で下の果肉がつぶれて傷んだり黒ずんでしまいます。バナナスタンドなどにぶらさげて保存するか、山型になるように置くと長持ちするそうです。

    過去には、高級品だったバナナ。現在では「物価の優等生」と呼ばれ、私たちの食卓にとって欠かせない存在となりました。

    総務省統計局が行っている家計調査によると、2021年の1世帯当たり全国平均で、バナナ購入数量は年間19.791kg、支出額は年5232円。ポピュラーなリンゴやミカンを抜いて、日本で一番食べられているフルーツとして10年以上トップに君臨しているそう。

    大人から子どもまで愛されるバナナを、日々の食生活に上手に取り入れていきたいですね。

    記事提供/ハルメク365

    貧乏ゆすりをしてしまうのはなぜ?治し方は?

    娘と一緒にリビングでテレビを見ていたときのこと。貧乏ゆすりをしていたので「お行儀よくないよ~」と注意したら。「最近は健康にいいって言われていて、むしろ動かしたほうがむくみや冷え解消にいいらしいよ」と言われてしましました。

    えーーー!? 本当? 治したほうがいいと思うんだけど、健康に効果があるなら……。気になったので調べてみました!

    なぜ貧乏ゆすりをしてしまうの?その原因

    すべてが解明されているわけではありませんが、原因は以下のようにいくつかあると考えられています。

    • レストレスレッグス症候群(RLS)
    • 固着反応
    • 血流の促進

    この中で貧乏ゆすりをせずにいられないのは、通称むずむず脚症候群ともいわれる「レストレスレッグス症候群」。

    足の内側から起こる不快な症状を緩和するため、足を動かしてしまう病気です。

    貧乏ゆすりの原因として最も多い「固着反応」はストレスとの関係が深く、無意識のうちに爪を噛んだりニキビをつぶしたり、自分で髪の毛を抜いたりなどの行動をとることがあります。

    他にも、長時間座っているときなどは、血流が滞らないよう反射的に貧乏ゆすりをしていることも考えられます。

    健康になる!?貧乏ゆすりの効果とメリット

    一般的に、お行儀が悪いとされる貧乏ゆすり。

    周囲に与える影響に本人が気づいていないケースも多いため、不快に感じてしまうことも多いですが、最近では貧乏ゆすりが健康に良いといわれ、メリットも多いことがわかってきました。

    特に女性は手足の冷えやむくみ解消に役立つ他、変形性股関節症やエコノミークラス症候群、ロコモティブシンドロームなどの予防や改善効果も期待できるので、意識して行うようすすめる医師もいます。

    現在では、貧乏ゆすりに似た運動のことを医学用語で「ジグリング」と呼び、さまざまな医療効果が期待できるとされています。

    貧乏ゆすりの治し方はある?

    貧乏ゆすりは健康に良いといわれるようになったものの、会社での評価を落としたり周囲の人に不快な思いをさせたりするため、無意識にしてしまうのは避けたいもの。

    いくつかある原因の中でも、固着反応による貧乏ゆすりを治したい場合は、以下の考え方を取り入れてみるのがおすすめです。

    • フラストレーションをためないよう合理的な考え方にシフト
    • 自分なりのリフレッシュ方法をいくつか考える

    例えば、仕事でイライラしたときは「うまくいかないこともある」「人と自分は違うから比べない」など合理的に考えることが重要。

    貧乏ゆすりに気づいたら、いったん席を立ってドリンクを1杯飲んだり、その場でできるストレッチをするなど、解消法のバリエーションをいくつか考えておくとよいでしょう。

    記事提供/ハルメク365

    イライラ・倦怠感・性欲低下の原因は「男性更年期」かも!日常生活の見直しで改善も

    実は男性にも「更年期障害」があるのをご存じでしょうか。なんだか最近、「イライラしやすい」「ほてる」「疲れが取れにくい」などの症状が続く場合は、男性更年期によるトラブルかもしれません。男性更年期が起こる理由や、日常生活での対策を紹介します。

    「女性更年期」と「男性更年期」の違い

    女性の更年期は女性ホルモンのエストロゲンが減少する、閉経前後の約10年に渡って起こります。ほてりや発汗、イライラや頭痛などの症状があらわれますが、エストロゲンの減少にからだが慣れてくると症状はおさまる傾向にあります。一方、男性の更年期は、テストステロンという男性ホルモンの減少によって起こります。エストロゲンと違い、テストステロンは加齢とともに徐々に減少。女性の更年期の「閉経」のように明確なタイミングはなく、40代以降どの年代でも発症します。男性ホルモンの減少による更年期は、医学的には「LOH(ロー)症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)」と呼ばれます。

    「男性更年期」の主な症状

    男性更年期では、心身ともにさまざまな症状があらわれます。

    身体的症状

    ●漠然とした体調不良
    ●腰痛や関節痛、背中の痛みなど関節や筋肉の痛み
    ●発汗
    ●睡眠不足
    ●筋力の低下
    ●ひげの伸びが遅くなる  など

    精神的症状

    ●いらいらする
    ●緊張しやすい・精神的に落ち着かない
    ●落ち込みやすい・意欲がわかない
    ●力尽きた・どん底にいると感じる
    ●パニック状態になる  など

    性的症状

    ●性欲の低下
    ●性的能力の衰え   など

    ※日本泌尿器科学会・日本Men’s Health医学会・「LOH症候群診療ガイドライン」検討ワーキング委員会編集「加齢男性性腺機能低下症候群 診療の手引き」参照


    加齢のほか食生活やストレスも原因になる男性更年期は生活習慣を見直して対策

    テストステロンの減少は加齢のほか、生活習慣の乱れも原因になります。上記でいくつかの症状があてはまった場合、まずは生活習慣を見直してみましょう。

    対策1 テストステロンの分泌を維持する食材を食べる

    ●肉や魚(たんぱく質)

    テストステロンの分泌を維持するには良質なたんぱく質を摂ることが大切です。お肉に含まれるアミノ酸の一種であるカルニチンはテストステロンの分泌を促すとされていて、特にラム肉(羊の肉)に多く含まれています。

    そのほか、
    ・馬肉
    ・マグロ
    ・鮭
    なども良質なたんぱく質。ぜひ積極的に食べましょう。

    ●牡蠣やレバー(亜鉛)

    亜鉛は精巣にはたらきテストステロンの分泌を促すといわれています。
    ・牡蠣
    ・レバー
    ・カシューナッツ
    などがおすすめです。

    ●山芋や里芋(DHEA)


    俗に「若返りホルモン」と呼ばれるDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)は、テストステロンの原料になるといわれています。
    DHEAは
    ・山芋
    ・里芋
    に含まれています。

    高カロリーな食事を続けたり栄養バランスが偏った食事は、男性更年期の原因にもなります。上記で紹介した食材を積極的に食べるほか、バランスのよい食事を心がけることが大切です。

    対策2 筋トレでテストステロンの分泌を

    筋肉は微量ながらテストステロンを産生しているので、男性更年期の対策には筋トレがおすすめ。大きな筋肉である太ももを動かすスクワットが効果的です。外出時はエレベーターやエスカレーターではなく、できるだけ階段を使うなどもおすすめです。

    対策3 良質な睡眠を心掛ける

    テストステロンをはじめとしたホルモンは寝ているあいだ、特に午前1時~3時頃に多く作られます。この時間帯にしっかり眠っておくことが大切なので夜ふかしは禁物。
    ・お風呂はシャワーではなく40度ほどの温めのお湯につかる
    ・寝る前にスマホやパソコンの使用を控える
    ・照明は暗めにする
    などを心掛けて、しっかり眠りましょう。

    対策4 ストレスをためない

    強いストレスがかかると、体はそれに対抗するためにコルチゾールというホルモンを分泌します。コルチゾールはテストステロンの原料となるDHEAを浪費するため、テストステロンが作られにくくなり、分泌量が低下するといわれています。

    心身共にリラックスする方法でおすすめなのが、
    ・入浴
    ・睡眠
    ・笑う
    です。そのほか、趣味に没頭する、体を動かすなど自分なりのリラックス法を見つけてみましょう。

    食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直しても男性更年期に当てはまる症状が改善されない場合、まずは泌尿器科の受診をおすすめします。



    コレステロールを下げる食品&多い食材ランキング!

    健康診断で、悪玉(LDL)コレステロールの数値が気になるという方も多いのでは? コレステロールが上がってしまう原因や、コレステロールが多い食べ物ランキングをご紹介。コレステロール値を下げる食品を知り、食べ物・飲み物からのアプローチ!

    コレステロールは悪者?善玉と悪玉のバランス

    悪者扱いされることの多いコレステロールですが、実際にはホルモン・細胞膜・胆汁酸を構成する、人間が生きていく上で必要不可欠な栄養素(脂質)です。
    コレステロールは7〜8割が体内で生産されており、食べ物での摂取量が多いときは体内の生産量が少なく、食べ物からの摂取量が少ないときは体内の生産量が多くなるように調整されています。

    コレステロールには、以下の2種類があります。

    • HDLコレステロール(善玉コレステロール)
    • LDLコレステロール(悪玉コレステロール)

    悪玉コレステロールであるLDLコレステロールが増え過ぎると、血管壁にへばりついて、動脈硬化を引き起こす原因に。
    反対に、善玉コレステロールであるHDLコレステロールは、血管壁に付着したコレステロールを回収することで、動脈硬化を防いでくれるのです。
    LDLコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が必要以上に増えたり、HDLコレステロールが減った状態を「脂質異常症」といいます。
    脂質異常症の人がコレステロールを摂取すると確実に動脈硬化を進行させることにつながるため、注意が必要です。動脈硬化は進行すると、心筋梗塞、狭心症、脳出血、脳梗塞などの病気のリスクを高めてしまいます。

    コレステロール値が上がる原因

    健康のためにもコレステロールの取り過ぎには注意が必要です。コレステロールが上がる原因は、主に以下です。

    • 脂質の多い食事
    • 肥満、太り気味
    • 遺伝や体質
    • 更年期による影響

    脂質の多い食事や肥満は、コレステロール値を上げてしまう代表的な原因です。
    また、遺伝や体質が影響してコレステロール値が高くなることもあります。遺伝によって起こる「家族性高コレステロール血症」では、LDLコレステロール値が高く、動脈硬化が進みやすくなります。
    家族に脂質代謝異常や65歳未満で心筋梗塞を起こした人がいる場合、家族性高コレステロール血症の可能性が考えられるでしょう。

    コレステロールを下げる食品一覧

    青魚

    青魚にはn-3多価不飽和脂肪酸(オメガ3)であるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれており、コレステロールや中性脂肪を減らし、血液をサラサラにする効果があります。
    EPAやDHAはマグロ、サンマ、イワシ、サバなど青魚に豊富です。食事で肉を食べる機会が多い人は、肉の代わりに青魚を食べるようにするといいでしょう。

    きのこ

    きのこには食物繊維が豊富。きのこに含まれるβ-グルカンには、血中コレステロールの吸収を防ぐ作用の他、血糖値の急上昇を防ぐ、免疫力の向上、整腸作用などうれしい効果がたくさんあります。
    きのこは満腹感も得やすいため、食べ過ぎを防ぎ、肥満の予防にもつながるでしょう。

    野菜

    野菜には、食物繊維やビタミン、ミネラルが含まれています。
    野菜に含まれる食物繊維がコレステロールや中性脂肪を体の外に排出してくれるため、コレステロール値を下げたい場合は野菜をしっかり食べるようにしましょう。

    海藻

    海藻にも、食物繊維が豊富に含まれています。海藻に豊富な水溶性食物繊維は、小腸で食後の血糖値の上昇を抑え、コレステロールやナトリウムを体外に排出する作用があります。

    植物油

    植物油は不飽和脂肪酸で構成されており、コレステロールを下げることにつながります。
    マーガリンなどリノール酸の多い油脂には注意し、調理に使うならオレイン酸が豊富なオリーブオイルやひまわり油がおすすめ。そのまま使用する場合は、オメガ3脂肪酸が豊富なフラックスシードオイル(亜麻仁油)、しその実油、えごま油がおすすめです。

    玄米

    食事でコレステロールを下げたいなら、玄米がおすすめです。
    コレステロール値が高めの人に玄米を1日160g以上、90日間食べてもらった結果、血中総コレステロール値とLDL(悪玉)コレステロール値が低下したという報告もあります。
    玄米に含まれる成分によってコレステロールが排出されたと考えられ、160gは茶碗1杯くらいの量なので、1日1食を玄米に置き換えるだけでもコレステロールを下げる効果が期待できるでしょう。

    大豆製品

    大豆製品に含まれる大豆タンパク質には、コレステロールを低下させる作用があります。
    大豆製品にはタンパク質の他にもビタミンやミネラルなど豊富な栄養素が含まれており、豆腐や豆乳、納豆、油揚げ、厚揚げ、味噌などたくさんの食品があるため、毎日手軽に取り入れやすいこともメリットです。

    お茶

    緑茶や抹茶に豊富に含まれる茶カテキンには、食事中のコレステロールの吸収を抑える働きがあります。お茶には8種類のカテキンが含まれ、中でもコレステロールに効果を発揮するのが「ガレート型カテキン」です。
    ガレート型カテキンは善玉のHDLコレステロールには影響を与えることなく、悪玉とされるLDLコレステロールを低下させます。また、「ガレート型カテキン」には体脂肪の吸収を抑制する効果もあり、健康効果や美容効果だけでなく、ダイエット効果も期待されています。

    伊藤園中央研究所の行った継続調査では、血中コレステロールが高めの人が、約200mgのカテキン(通常の緑茶の約3倍程度)を含む飲み物を1日2回飲み続けた結果、2か月後から少しずつ血中コレステロールが低下したという結果が出ています。

    カテキンをしっかり摂取するためにも、カテキンがたっぷり抽出できる方法で緑茶を淹れるのがおすすめです。

    その他、抗酸化物質を含む食品

    抗酸化物質を含む食品を取り入れ、LDLコレステロールを増やさないことがコレステロール値を低下させるポイントです。

    • ビタミンC
    • ビタミンE
    • ポリフェノール
    • アスタキサンチン

    上記のような栄養素には、抗酸化作用があるため食事に積極的に取り入れましょう。ビタミンCは野菜や果物に、ビタミンEはアーモンドや大豆に含まれています。
    ポリフェノールはブルーベリーや緑茶、チョコレートなどに豊富で、アスタキサンチンはエビやカニ、鮭やいくらなど魚介類に豊富に含まれています。

    注意したい!コレステロール値が高い食品ランキング

    厚生労働省が公表した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によれば、脂質異常症の重症化予防の目的から考えた場合、1日に摂取するコレステロールの目安量は200mg未満に留めるといいとされています。
    食事から摂取するコレステロールが多いと、コレステロール値に影響するため、取り過ぎには注意しましょう。

    ここからは、コレステロール値の高い食品をいくつかランキング形式でご紹介します。(文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」)

    【コレステロールを多く含む食品(100gあたりのコレステロール含有量)】

    • 卵黄……1400mg
    • あん肝(生)……560mg
    • 豚スモークレバー……480mg
    • 鶏レバー…(生)…370mg
    • 豚レバー(生)……250mg
    • 牛レバー(生)……240mg
    • かずのこ……350mg
    • だらこ……350mg
    • 無塩バター……350mg
    • すじこ……240~250mg
    • シュークリーム……250mg
    • ワッフル……170mg
    • カステラ……160mg
    • ショートケーキ……140mg
    • プリン……140mg

    上記のように、コレステロールは特に動物性の食品、内臓類や卵類に多く含まれています。過剰摂取にならないよう、注意しましょう。
    卵には善玉コレステロールを増やす働きを持つ卵黄レシチンが含まれており、健康な人であれば1日2~3個食べてもコレステロール値が上がることはないといわれていますが、卵はMサイズ卵1個に235mgと、コレステロール量が多め。
    卵にはコレステロールを増やす作用のある飽和脂肪酸も含まれているため、脂質異常症の人は注意が必要です。人によってもコレステロール値や体質は違うため、かかりつけ医に相談した上で摂取するのが安心でしょう。

    コレステロールを改善する食生活のポイント

    ここからは、コレステロールを改善する食生活のポイントをご紹介します。

    飽和脂肪酸の摂取量を減らす

    脂肪のうち、飽和脂肪酸はLDLコレステロールを増加させます。
    飽和脂肪酸は動物性の脂に多く含まれており、肉やバター、生クリーム、菓子パン、お菓子、カレールーなどにも多く含まれているため、知らないうちに取り過ぎになっている可能性も考えられるでしょう。

    食物繊維をしっかり取る

    コレステロールを下げるためには、コレステロールの排出量を増やすのがポイントです。コレステロールの原料となる胆汁酸を体外に排出することも、コレステロール値を減らすことにつながります。
    胆汁酸の排出には、食物繊維の摂取が効果的です。食物繊維にはLDLコレステロールを増えにくくする効果や、心筋梗塞のリスクを下げる効果があるとされています。
    食物繊維がないとコレステロールが再吸収されてしまうため、毎日の食事で食物繊維をしっかり取ることが大切です。

    飲酒や喫煙を控える

    アルコールの飲み過ぎやタバコの吸い過ぎは、LDLコレステロールの上昇につながります。
    厚生労働省の「健康日本21」によれば、適量は1日平均純アルコール約20g程度。この範囲内の適度な飲酒であれば問題ありませんが、飲み過ぎは避けることが大切です。

    生活に適度な運動を取り入れる

    LDLコレステロールを下げるためには、運動の習慣化も効果的です。運動は内臓まわりの中性脂肪を減らす他にも、脂肪や糖の代謝、筋肉量の維持や増加につながります。
    生活習慣病の予防にもなるため、ウォーキングなど無理なく簡単に取り入れられる運動を自分のペースで行うといいでしょう。

    食事の工夫でコレステロール値を改善!

    コレステロールは人間が生きていく上で欠かせない物質ですが、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が多くなり過ぎると動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞などの病気につながります。
    コレステロールが高い食品の取り過ぎには注意しましょう。

    コレステロールの排出によってコレステロール値の低下を促す食べ物・飲み物を普段の食事に取り入れ、食生活や栄養バランスを整えることが、コレステロール値を改善する上で大切です。

    記事提供/ハルメク365

    認知症対策は50代からが正解! 脳に毒素を溜めない食べ方新ルール

    認知症対策を“今から”始めるべき理由

    認知症のなかで最も割合が高く、約70%を占めるのがアルツハイマー型認知症です。
    アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβというタンパク質が溜まり、それが神経細胞を破壊し脳が委縮することによって起こります。
    では、なぜアミロイドβが溜まるのか……。
    アルツハイマー病などの神経変性疾患の世界的権威、デール・ブレデセン博士は脳にアミロイドβが溜まる理由として以下の3つを挙げています。

    ●炎症(感染や食事、そのほかの原因によるもの)
    ●栄養不足(脳の栄養)
    ●毒素(金属やカビなどの微生物が産生する生物毒素など)

    これら3つを原因に、“毒素”であるアミロイドβは認知症が発症する20~30年前から溜まっていくといわれています。つまり、50代・60代から溜まり始めると考えられるため、認知症の予防は“今から”始めることが肝心なのです。

    脳に“毒素”を溜めるもの

    日常生活のなかで、脳に“毒素”が溜まるいちばんの原因は食事にあります。
    一番注意したいのは、加工食品の添加物。また殺虫剤や防カビ剤、化学肥料などです。とはいえ、それらをすべて避けるのは実質、難しいもの。しかし、“毒素”を解毒し排出する食べ物を毎日何かしら食べたり食べ方を工夫することで、脳の“毒素”であるアミロイドβを撃退することができます。

    脳に毒素を溜めない食材

    ●便通を良くして“毒素を出す” 整腸作用のある食材

    ・ごぼう ・キノコ類 ・納豆 ・玄米 ・こんにゃく 
    ・ほうれん草 ・枝豆 ・ごま ・春菊 ・キウイ など

    食物繊維が豊富な食材は腸内環境を整えて便通を良くし、“毒素”をスムーズに出すはたらきがあります。

    ●細胞に“毒素”を吸着させない 解毒作用のある食材

    ・アボカド ・にんにく ・しょうが ・チンゲン菜 
    ・海藻類 ・タマネギ ・長ネギ ・パプリカ 
    ・エクストラバージンオリーブオイル など

    アボカドやしょうが、ワカメなどは抗酸化作用が高く、体内で過剰に発生し細胞を傷つける活性酸素を無毒化します。にんにくや長ネギなどは細胞から毒素を引きはがしてくれるはたらきもあります。

    ●体内に溜まった“毒素”を排出 解毒作用のある食材

    ・キャベツ ・ブロッコリー ・大根 ・かぶ ・クレソン 
    ・ルッコラ ・わさび など

    アブラナ科の野菜は体内に溜まった毒素を解毒して、細胞から引きはがす作用があります。

    脳に毒素を溜めない食べ方 6つの新ルール

    1. 1日に1回は“毒出し料理”を食べる

    上で紹介した“毒素”を解毒・排出する食材を組み合わせた料理をできるだけ1日に1回は食べるようにしましょう。料理が難しい場合は、それぞれの食材を積極的に食べるようこ心がけてください。

    2. 「油」と「調味料」を厳選する

    油は、オメガ3が抱負なアマニ油やえごま油、オレイン酸が豊富なエキストラバージンオリーブオイル、中鎖脂肪酸が主成分のココナッツオイルやMCTオイルがおすすめです。調味料は添加物が入っていないものを使いましょう。

    3. 魚はできるだけ天然の小型~中型のものを選ぶ

    魚は大きくなるほど有害物質の蓄積量が増えると考えられます。蓄積量が少ないと考えられる小型~中型のものを選びましょう。また、養殖よりも天然のものがベターです。

    4. 野菜や果物は色の濃いものをたっぷり食べる

    色の濃い野菜や果物は天然の抗酸化物質が豊富です。栄養価が高くなる旬のもので、色の付いた皮に一番栄養価があるので、無農薬のものを選び皮が薄いものは皮ごと食べましょう。

    5. 肉や加工品は産地と原材料をチェックする

    肉は国産のものが基本。ハムやソーセージ、ウインナー、練り物などは原材料をチェックして添加物が多いものは避けましょう。

    6. よく噛んで食べる

    よく噛むことで、脳の記憶を司る海馬の血流がアップ。栄養が行き渡って“毒素”を回収しやすくなります。飲み込む前に30回は咀嚼しましょう。

    監修/白澤卓二さん 医師、医学博士。お茶の水健康長寿クリニック院長、Residence of Hope館林代表、国際予防医学協会理事長。『脳の毒を出す食事』(ダイヤモンド社)など著書多数。